セザンヌが愛した色彩

絵画とは「3次元の空間を、いかに2次元のキャンバスに表現するか」

西洋絵画は遠近法や、陰影、光と影の効果で、そのテーマに取り組んできました。

しかし、セザンヌは「色彩によって物の形、陰影感を表現します。

 

この「アルルカン」と「ピエロ」はヨーロッパで流行した即興演劇を描いたセザンヌの作品です。

右の赤×黒の衣装「アルルカン」はセザンヌの息子、

左の白い道化師「ピエロ」は、その友人ルイ・ギヨームがモデルの肖像画です。

ここで注目したいのは色彩の効果。

白い衣服と帽子を身に着けたピエロ(左)は、赤×黒のアルルカン(右)を後ろから、支えているように見えます。

「赤が進出色で前へ前へ向かう色」である効果なのです。