東京・上野の東京都美術館で開催中の「ポンピドゥー・センター傑作展」に行ってきました。ポンピドゥーとは、第19代フランス大統領ジョルジュ・ポンピドゥー(在任 1969年- 1974年)のことで、
現代美術や現代音楽の拠点をパリに設けようとした文化施設がポンピドゥー・センターです。
今回の展覧会は、1900年代から1970年代後半までの「1年ごとに1人の作家の1作品」を並べています。そのため、ピカソも1点、マティスも1点、シャガールも1点の構成でした。
近代現代美術の殿堂ポンピドゥー・センターのコレクションを通じ、フランス20世紀美術の流れがわかるようになっています。
本展覧会に出展されたマティスの絵画。
液晶画面で見る場合と、実際の絵とは、かなりイメージが異なることがありますが、本作については、色もかなり近いものでした。
マティスは、室内をよく描いています。南フランスの燦々とした太陽の下にあっても、ホテルの室内に一人籠り、黙々と、色彩による形態と色の実験に明け暮れました。
向こうに見える2つは共にマティスの絵。マティスは自分の絵画の中に、自分の絵をしばしば登場させました。
一体、なぜなのでしょうね。
左の絵は、白黒でどちらかと言えば直線的な要素が強い絵です。
右の絵は、色鮮やかなで、丸みを帯びた形態も特徴的です。無彩色と鮮やかな色、直線と曲線、シンプルと装飾など対照性が際立った作品になっていますね。
今回の上野の展覧会ではこの作品は「大きな赤い室内」となっていました。