さて、ロマン主義って何でしょう?
wikipediaによると
「18世紀末から19世紀前半にヨーロッパで、その後にヨーロッパの影響を受けた諸地域で起こった精神運動の一つである。それまでの理性偏重、合理主義などに対し感受性や主観に重きをおいた一連の運動であり、古典主義と対をなす。」です。
ロマン主義の旗手と呼ばれるヴィクトル・ユーゴーは、ロマン主義をこう定義しました。
「ロマン主義とは遅れてきたフランス革命」だと。
フランス革命で崩壊した「王権」は、美術界においては「古典主義」。
それまで、完全無欠な理想の美という観念を頂点としてその下にさまざまな美のヒエラルキー(階層)があるという古典主義は、まるで絶対王政の下に、さまざまな階級の人間がいるのと似ていると、しました。
そして、王室に宮廷作法があるように、古典主義の芸術も、「模範となる美」があり、守るべき法則があった。
しかし、ユゴーは宣言します。「美は一定の”形式”のなかにあるものではない。古典主義の見方からは”醜”と考えられているものなかにも、”美”がある」と。
ボードレ-ルも断言します「ロマン主義は感じ方のなかにある」にあると。ロマン主義は感受性を重んじたのです。
そんな思想に共鳴するように、例えばドラクロワは、なまなましい現実の事件のなかに、独自の美の世界をつくり上げていきました。美のヒエラルキーを壊して、一芸術家の「個に根ざした美」を生み出したのです。